大川栄策の「配信限定リリース」は演歌ファンに届くのか

大川栄策配信特設サイト



既報の通り大川栄策が本日から未発表の新曲を音楽配信限定で発売開始。
第一弾は「荒神山(こうじんやま)〜仁吉外伝〜」。
全部で12曲が作られているそうで、今後毎週1曲ずつ配信していくことになります。
特設サイトで、全12曲のタイトルも公表されました。


この他にも、テイチクから来年2月にデビューする現役高校生の新人・清水博正
デビューの3ヶ月も前から既に先行配信発売していたりと (←参考記事
演歌においても、音楽配信限定(あるいは先行配信)の動きが出てきました。


コロムビア大川栄策サイト
 http://columbia.jp/artist-info/okawa/
・特設サイト
 http://columbia.jp/okawa/haishin/


 「荒神山〜仁吉外伝〜」大川栄策
(※試聴、歌詞表示が可能。レコーディング映像も。ちゃんとジャケット写真も作られています)


さて、この“演歌の配信限定楽曲”ですが
「ダウンロード購入する人がいったいどれだけいるのか?」という疑問は当然あります。


・演歌はいまだにCDよりカセットのほうが多く売れてるくらいなのにダウンロード販売なんて絶対無理
・たとえダウンロードできても、iPodやパソコンで音楽を聴くという習慣がない
・既に有線などで話題になっている曲であればともかく、誰も聴いたことのない未発表の新曲なんて
・若いファンも多い氷川きよしで試すならともかく、なぜ大川栄策で?


…等々、ケチをつけるのはいくらでもできるんですが、(^_^;)
個人的には大変興味深く、ワクワクしています。


そもそも音楽配信は、iPodなどのデジタル携帯音楽プレーヤーに転送して聴く、
あるいはパソコン上で再生して聴く、という視聴スタイルのためものです。
当然ですが、演歌ファンが普段主に利用しているであろう
ラジカセやMDプレーヤーではそのまま再生できません。


CDがだいたい1200円であるのに対して、音楽配信
PC向けが一曲200円、ケータイ向けの着うたは105円、着うたフルは315円と圧倒的に安いのですが
歌詞カードも譜面もジャケット写真もなく、音源のみ入手するという感覚は
購入した実感が持てず、ハードルが高すぎるでしょう。
これって、いずれカラオケも配信するんですかね?(・_・)


「さざんかの宿」の大ヒットで知られる大川栄策
今でもシングルを出せば毎回確実に売れて上位に入る人気歌手。
しかしながら今回の配信は、通常のCD・カセットで発売する場合の売上枚数とは
比較にならないほど微々たるダウンロード数しかないと予測されます。


でもこれは、おそらく“先行”配信であり、
いずれパッケージ(CD・カセット)で売り出すことを前提にしていると思われます。
つまり、ごく少数存在する若い世代の演歌ファン、
あるいはパソコンやiPodを使いこなす年輩の演歌ファン向けに先行配信し、
どれくらいDL数があるのか、どんな反応を示すのかを知ろうとする
事前のマーケティング調査なのではないでしょうか。


先行配信しておいて、どの楽曲が人気があるかを様子見し
ダウンロード数の多かった曲だけを「人気曲を待望のCD化!」と称して
後で普通にレコード店でシングルとして発売していけばいいわけです。
事前にマーケティングすることで、確実に売れるものを出せることになりますし、
たとえあまり人気のない楽曲があったとしても、後で
カップリングやアルバムに収録すればよいので、楽曲は無駄にはなりません。
配信は、CDで制作するよりもスピーディに世に出せるというのが利点の一つですが
演歌であれば「楽曲の旬を失う」ということもあまりないでしょうし。


コロムビアは、「Robin Works(星とギター)」という
CDを出さずにまずは配信のみで楽曲のリリースを行っていく(→後でCDにする)
J-POP新人アーティストを集めたレーベルを立ち上げており、
その考え方の一部を演歌にも応用してみよう、ということだと思います。


演歌をやっているフツーのレコード会社だったら、演歌の売り方を熟知した
営業・宣伝サイドから大反対されそうな気がするんですが、(^_^;)
その辺はおそらく、これまでデジタル関係で様々な試みを行ってきた
社長である廣瀬禎彦氏の主導あってのものでしょう。老舗にして進歩的なコロムビアです。



・「演歌界の活性化へ」。大川栄策新曲をネット配信
 (impress)

岩本公水、来週『歌コン』に出演へ


本日、岩本公水が3年ぶりの新曲「草枕」を発売。
11/27(火)のNHK歌謡コンサート
「歌コン最前線」のコーナーで出演予定だそうです。


今日、亀有リリオホールで行われた東京演歌ライブに出演したはずですが
どんな様子だったのか気になります。


どうやらワークス・ディ・シィから完全に離れたわけではなく、
あくまで所属事務所はワークスのままで
ユーズミュージックと業務提携(?)のような形で
全面的にマネージメントを任せる、ということのようです。
ただし、チラシなどに書かれる問合せ先としては
おそらくユーズミュージックの名前が表記されるかと。


ユーズの中で、岩本公水を管轄するのが
J-POPのアーティストをマネジメントしているのと同じ部署なのか、
演歌・歌謡曲の部署なのかはわかりません。


 「草枕」岩本公水