2010年の演歌・歌謡界を振り返ってみる


演歌界の2010年の出来事を振り返ってみます。
あくまで個人的な感覚のうえで印象に残った事柄であることをお断りしておきます。


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【今年のヒット曲】


坂本冬美また君に恋してる」。
「また君に恋してる」坂本冬美
前年から静かな人気を呼んでいたところ、レコ大や紅白で歌われた効果で
年明けすぐに火がつき、ダウンロード配信を中心に爆発的なヒット。
「また君」という略称も定着し、多くの番組で冬美さんが取り上げられ、
今年前半は旋風が吹き荒れた感がありました。


氷川きよし三味線旅がらす」「虹色のバイヨン」。
「三味線旅がらす」氷川きよし(Aタイプ) 氷川きよし「虹色のバイヨン」Aタイプ
後者のほうがインパクト強すぎて、前者は印象薄いかも。


水森かおり「松島紀行」は、初めて紅盤・白盤というカップリングの異なる2タイプで発売。
「松島紀行」紅盤 「松島紀行」白盤)


4月には、週間シングルランキングで
水森かおり、坂本冬美、氷川きよしがベスト5内に同時ランクインするという
奇跡のような事が起こりました。


北島三郎「夫婦一生」は発売後すぐにCDランキング10位となり、ベスト10入りの最年長記録を更新。
そして最年長記録のゴールドディスクに。
「夫婦一生」北島三郎


天童よしみ「人生みちづれ」もゴールドディスクに。
「人生みちづれ」天童よしみ


「ベテラン演歌歌手は、新しいヒット曲も出せてないのに」と陰口をたたかれることも少なくない中、
「夫婦一生」「人生みちづれ」というヒットが出たことは大変うれしく思います。


三山ひろし「人恋酒場」が1年以上かけてゴールドディスクに
「人恋酒場」三山ひろし
誰もが口ずさんでしまう親しみやすさと、その曲調が似合う
誰からも愛される&快活な三山くんのキャラクターで、名実ともにヒット。
世間的にはまだ認知度は低いでしょうけど、新人歌手がこれほどの実績を出したことは素晴らしいです。
2月に開かれるであろう、日本クラウンヒット賞でもしっかり表彰されるでしょう。


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【新人歌手】


今年デビューしたのは、
黒木姉妹菊地まどか出光仁美西田あいオルリコ


異色のメンバーによるイケメン歌謡グループ、純烈(じゅんれつ)もデビューしましたが
それを除けば、男性の新人はいませんでした。


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【ユニット結成が流行!?】


2009年にイケメン3がある程度成功を収めたことに刺激されたのか、
複数の歌手がユニットを結成する動きが目立ちました。


キングレコード水田竜子市川由紀乃小村美貴によるBeauty “SRWs”(ビューティースルー)
コロムビア南かなこ、三代目コロムビアローズ、松川未樹出光仁美による
コロムビアガールズコレクション(CGC)
2011年4月にはCGCとしてシングルを発売することが決定しています。
ムード歌謡グループのボーカルが揃った、松森棚三も。
あさ☆みこも久しぶりにステージをやりました。


そういえば、“艶歌ガールズ5人娘”はどうなったのかな?(^_^;)


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【意外な組み合わせ】


友近と堀内孝雄がデュエットした「倖せの求め方」。


石川さゆり&奥田民生による「Baby Baby」。
演歌要素を完全に取り払った曲調で、PVも非常に楽しい仕上がり。
でも結局、演歌ファンにもJ-POPファンにも残念ながら受け入れられなかった印象。
石川さゆりは、缶コーヒー「Roots」のCM企画で結成されたユニットにも参加しました。


坂本冬美は、テレビ歌番組の企画ではありましたが
僕らの音楽」に出演してポップス歌手と共演したり、
水樹奈々と共演したり。
水樹奈々がもともとは演歌歌手志望であり、演歌歌手をきちんとリスペクトしていることは
昨年の紅白を機に、だいぶ浸透してきました。もっと演歌歌手と共演してほしいですね。


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【演歌歌手もtwitter


今年大きく利用者が増えた、twitterツイッター)を始めた演歌系歌手もおります。(順不同)
オルリコ石原詢子丘みどり山口瑠美ジェロ佳山明生西田あい
花咲ゆき美北野まち子渡辺要入山アキ子


リアルタイムで短い発言や写真を発信できるのがツイッターの特長ですが
上記の中には、ブログの更新と連動して自動的につぶやかれるだけのものも含まれています。
他にもいるかもしれませんし、歌手本人でなく
そのスタッフやマネージャーが公式にやっている例もたくさんありますので探してみてください。


また、三波春夫bot北島三郎botなど
本人になりかわって過去の発言を機械的につぶやく「ボット」もあります。
(芸能人や漫画のキャラクターなど。多くの場合、非公式なものです)


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【ネットを使ったプロモーション】


4月にニコニコ動画で「動画供養」船村徹氏の「歌供養」のパロディとして
壮大なネタイベントかと思いきや、船村氏もVTRでコメントを寄せ、
後半は鳥羽一郎などが生演奏で本格的に演歌を聴かせるなど、充実の内容でした。
「たまには演歌もいいな」と思ったニコニコユーザーも多かったに違いありません。


吉幾三は、ニコニコ生放送でレコード会社から決起集会を中継


出光仁美は、YouTubeも活用したネットラジオを続けています。
番組内でどういうチャレンジをやっていたかが大体わかる
総集編はこちらをどうぞ。(※直リンクです。音が出ますので注意)
一人でしゃべらせるとこんなに天然でハイテンションで面白いのに、
それをステージで披露する機会が皆無なのがもったいないです。


西田あい鹿児島弁講座は衝撃的でした。第2弾も。
このキャラクター、もっと活かせる場を与えれば、大化けすると思うんだけどな。(^_^;)


あさみちゆき井の頭公園ライブを、試験的にネット生中継


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【“酒場”が流行?】


今年発売された新曲のタイトルに、妙に多かった印象があるのが「酒場」です。


「酒場すずめ」和田青児
「雨の酒場町」北川大介
「横濱・ハイカラ酒場」半田浩二
「宵待ち酒場」三山ひろし
「やすらぎの酒場」岩出和也
小雪の酒場」冠二郎


うーん、見事に男性歌手ばかり。


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【ライブハウス】


三代目コロムビア・ローズギター弾き語りを含めたアコースティックライブを。
水前寺清子下北沢のライブハウスで
多岐川舞子原宿のライブハウスで
花咲ゆき美立川のライブハウスで
山口瑠美池袋のライブハウスで


ホールでなく、小さい規模のライブハウスで、バンドの生演奏で歌を披露する形。
上記以外にもあったかもしれません。
通常のステージとは、お客さんとの距離感や照明の具合がまったく違うので
やってみたいと思っている歌手は大勢いると思います。


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【結婚・おめでた・交際・離婚】


長山洋子4月に妊娠を発表、8月に出産し、10月には復帰。
みずき舞はプロレスラー・小橋健太と結婚


神野美伽荒木とよひさ氏と“別居婚”
原田悠里破局したことを明らかに
香田晋は、離婚後に新たに交際している女性がいることを明らかに


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【病気・ケガ】


森昌子子宮の全摘出手術を。
藤あや子6月から10月まで病気療養のため活動を休止
伍代夏子C型肝炎を患っていることを告白
大江裕過労のため11月から休養


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【おくやみ】


作詞家・吉岡治氏(5月)。
作詞家・星野哲郎氏(11月)。
歌手・竜鉄也(12月)。


今年もベテランの方がお亡くなりになりました…。
星野先生、吉岡先生と、演歌界にとってあまりに大きすぎる柱が失われたことは
深い空虚感を覚えます。でも、新しい作家にバトンが渡されたということでもあるのでしょう。


また、小村美貴大石まどか、キム・ランヒが、それぞれ父親を亡くしています。


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【テレビCM等】


さくらまや赤城乳業のデッカルチェJAバンク兵庫地デジのデジサポ香川県限定?
ジェロはマルちゃんの四季物語NHKのドラマにも出ました。
小林幸子アイリスオーヤマのLED電球
八代亜紀富士フイルムのサプリメント
ソフトバンク携帯のCMで浜崎あゆみと宮史郎が共演
吉幾三JR東日本「MY FIRST AOMORI」に。


天童よしみの「VC-3000のど飴」の新作も流れていましたね。


さくらまやは、これでもかというほど多数の
映画や商品の発表イベントにゲストで出演していました。


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【“お笑い+演歌”の動きは?】


TBSのお笑いバラエティ番組「リンカーン」の中で
演歌デビュープロジェクトが企画され、北島三郎プロデュースのもと
「底ぬけプレジデンツ」というユニット名で、
「これが恋だと分からずに」「男の生き様」の2曲が配信限定で発表されました。
しかし、まったく話題として盛り上がらず…。_| ̄|○


後日、「HEY!HEY!HEY!」の中で
「過去にテレビ番組企画で結成された音楽ユニット」の特集をやっていて、
ポケットビスケッツはっぱ隊、エキセントリック少年ボウイなどの映像が次々と紹介されていた中、
つい最近の出来事である「底ぬけプレジデンツ」も含まれていて、それを見た
リンカーン」のレギュラーでもあるキャイ〜ンの天野が
「これ、もうなかったことになってるのに」と言ったのが忘れられません。そうなのか。


水木ケイを擁する吉本興業による、演歌とお笑いのコラボレーションイベント
「よしもと歌謡笑劇場」も行われたのですが
第2回の後はやってないみたい…?


SMAP×SMAPの「スマザン・ボイル」のコーナーに、都はるみ坂本冬美が出演。


友近が司会を務めるABC朝日放送エンカメは、すっかり定着しましたね。
友近堀内孝雄以外にも、この番組から新たな動きがあることを期待しています。


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【その他特筆すべきニュース(順不同)】


水森かおり名古屋で初座長公演
二葉百合子引退することを発表
八代亜紀よみうりランドで野外ライブ。演歌としては珍しいです。その場で観たかったなぁ。
宮崎で口蹄疫が発生、演歌歌手もチャリティコンサートを行う
出光仁美100万歩あるく宣言をしながらも達成ならず


走れ歌謡曲」、パーソナリティを大幅に一新


パソコンでラジオを聴けるサービス「radiko」がスタート。
AMラジオも聴けることで、離れていたリスナーが戻ってきている動きもあるそうです。


5月にTOKYO FM10月にJ-WAVEなど、
FMラジオで演歌を扱う特集がちらほら。


「平成歌謡塾」が地上派での放送を終了し、CSのみで「新・平成歌謡塾」に。


エクシング(JOYSOUND)と、既にブラザー工業の傘下に入っていたBMB(UGA)が合併し、新しいエクシングに。
これで業務用カラオケの会社は、第一興商とエクシングのたった2社に集約されました。


創立100周年のコロムビアフェイスが筆頭株主となり、10月から社名も日本コロムビアに。


藤原浩が着うたダウンロードの方法をファンに講習
一見地味なニュースですが、CDでなくダウンロード購入を
歌手自らが公式イベントで呼びかけるという、時代の流れを感じる出来事です。


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【個人的に印象に残った曲】


花咲ゆき美「冬恋花」
松原健之「雪」
・城之内早苗「泣き砂 海風」
丘みどり「北国、海岸線」
加川明「お嬢様ルンバ」