大沢桃子 新曲「おんなの春」発表記念ミニコンサート@江戸東京博物館ホール


この日初めてナマで見ることになった大沢桃子
所属レコード会社であるガウスエンタテインメントからは
これまでそれほど積極的に宣伝されていたわけではなかったので
「ちょっとカワイイ若手女性歌手」くらいの認識しかなかったのであるが、なかなかスゴイ人であった。


既にある程度キャリアを重ねているせいもあるが、爽やかさと共にしゃべりやアドリブがうまく、
新人歌手にありがちな「礼儀はいいし元気もいいんだけどしゃべりが紋切り型でカタい」
「アドリブがきかない」といった危なっかしさがまったくない。
想像していたよりも相当しっかりしていて、頭のよい女性という印象を受けた。


無知で申し訳なかったのだが、なんと彼女はシンガーソングライターなのだった。
女性の演歌歌手で、しかもこんな若い人が詞も曲も自作しているのは極めて珍しい。
以前にインディーズで何枚か出しているようだが、
ガウス移籍第一弾である前作「七福神」では
なかむら椿」というペンネームで作詞、(C/Wの「海上七夕」は作詞・作曲)
今回の新曲「おんなの春」は、おぉついにA面の楽曲を詞・曲とも自分で手がけている。


ド演歌とは言い難い、明るい曲調。言葉遣いも古くさくなく、等身大の視点。
演歌についてはあちこちで「作家が偏っている」「テーマが古くさい」という議論がなされているが、
そういったいわゆる王道で時代錯誤な演歌こそがいちばん売れるため、新しい試みがされにくい。
ただ、演歌という属性はきちんとそのままで、
言葉遣いやテーマを新しい感覚で書くことはいくらでも可能なハズだと個人的には思っている。
だからこそ、この淀んだ状況に風穴を空けることができるのは、ひょっとしたら
彼女のような存在なのではないかと思う。


しかも、師匠はあの日本におけるエレキギターの神様、寺内タケシだというからよくわからない。
寺内氏と自作演歌歌手がどうしても俺の頭の中で結びつかないので興味津々。


出身地・大船渡市の銘菓「かもめの玉子」のTVCFに出ているらしい。