着物組がまた一人



・演歌・歌謡歌手「谷本知美」さんが来社 (ライラック商事)


谷本知美の新曲は「人生行路」。
たまたま見つけた上記の写真を見てビックリ。ついに彼女も着物で歌うことになったということですね。
どんな曲なのかまだ聴いていないのですが、タイトルからしてやはり着物が似合うド演歌なのでしょう。


これまで、演劇の舞台やコンサートの場で着物姿を披露することはあったものの
デビュー以来ずっと衣装はパンツスーツで通してきたのですけど。うーん。
若手歌手は個性を出そうといろいろ頑張ってはみるけれど、結局は
型にはまった演歌のイメージにシフトしていかざるを得ないのが演歌界の現状みたいです。


萩本欽一のアドバイスを参考にして作ったという前作「夢待ち通り」は、
演歌からかけ離れた、明るいポップスそのものでした。
大胆な楽曲に挑戦したことは評価されるべきでしょう。
なのに、結局またド演歌に戻ってくるということは、
欽ちゃんのアドバイスは、単なる話題作りに過ぎなかったと受け取られてもしかたがありません。
曲を出す度に方向性が変わると、結局何がやりたいのか真意がわからず、
どういう歌を歌う人なのか、一般の人にも覚えてもらいづらくなります。


もともと、痛快なコブシをきかせた非常に演歌らしい歌い方ができる人なので、着物演歌は正しい選択でしょう。
正統派の演歌歌手として、もう迷うことなく突っ走っていってほしいものです。


演歌に興味のない人には理解しづらい感覚だと思いますが、
女性演歌歌手の店頭歌唱キャンペーンの現場において、お客さんは
着物を着て歌う歌手だと、「おっ、ちゃんとしてるねー。やっぱり演歌は着物だねー」と喜び、
スーツ姿で歌う歌手だと、なんだか手を抜いているように受け取る。そんな風潮があると聞きます。
是非はともかく、演歌のお客さんというのは、そういう人たちが大勢を占めている。それは事実。
そういう人たちにCD・カセットを買ってもらわないと、歌手はやっていけないのです。


だからこそ、衣装は着物で、歌う曲調も同じような女性演歌歌手が増えていくのです。
誰がそれを責められるというのでしょうか。