悪いのは歌謡ショーか、それとも予算か



・旧町ではやったけど…新市合併記念の歌謡ショー中止

http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/060620_4.htm
http://www.asahi.com/national/update/0619/NGY200606190006.html
http://www.chunichi.co.jp/00/ach/20060620/lcl_____ach_____008.shtml


合併して誕生した弥富市(愛知県)が、合併記念行事として
“歌謡ショー”を計画し、その予算案を議会に提出したものの
「予算の無駄」という批判の声が議員や市民からあがり、計画を撤回したとのこと。


批判されてしかるべき部分は多いと思うんですが、
なーんか腑に落ちないというか、引っかかるんですよね。このニュース。


合併記念行事として計画されていた“歌謡ショー”に
どういう歌手が出演する予定だったのかは、報道されていません。
まだ何も決まっていなかったのかも。


ただ、旧弥富町時代の04年に開催した時の歌手の名前を
参考のために(?)わざわざ出しているのは、
今回もどうせ似たような顔ぶれになる予定だった、
ということを暗に示していると思われます。


ですから、あくまで推測に過ぎませんが、懐メロ・演歌系を想定していたのかもしれません。
「コンサート」ではなく、「歌謡ショー」なんて陳腐なイメージの呼称を使っているあたりも
(実際そういう呼称で市が計画していたのかもしれませんが)
見下されているものを感じるんですけど。俺の記事の読み方が卑屈すぎますかね?(-_-;)


「予算の無駄」という言葉を出すことで
ビミョーに問題がすり替えられてる気がするんですが、本音はこうなのでは?


「記念コンサートをやること自体は、まぁ結構。
 でも、それが懐メロ・演歌なのはなんかイヤ」


これがクラシックのコンサートだったら。
あるいは、地元に縁のある、有名な歌手・アーティストのコンサートだったら。
はたして「予算の無駄」と批判されたんでしょうか?


もちろん、歌手の有名無名にかかわらず、歌手を集めて行うコンサートの類が
市町村の合併記念行事として本当に相応しいのかを考えると、甚だ疑問です。


これを主催したのが地元の企業とか商工会議所とか青年会とかならまだしも、
血税(←イヤミな言葉ですな)で成り立っている、市の予算を使うわけですから。
「福祉や教育にまわすほうが大事だろ」という絶対正義を振りかざされたら、
そりゃ誰も反論できませんわ。財政が厳しいのなら、なおさらのこと。


ただ、「予算」という点だけで突き詰めて考えると、
成人式の式典にタレントを呼んだりするのもダメなんじゃないの?
作家にテーマソングや応援ソング作成を依頼して、歌手に歌ってもらうのもダメなんじゃないの?
市民生活に潤いを与える、芸能・歌舞音曲の類は一切必要ない、ということになってしまうのでは。


市長だって、自分がそういうジャンルの歌を聴くのが好きで、
市民の人たちにも喜んでもらえるはずだと信じて、よかれと思って計画したんじゃないのかなー。
(そーゆー古い感覚こそが問題なわけですが)
旧町時代からの慣例・流れで、何の疑問も感じることなく、なぁなぁで計画してしまったのかも。
できるだけ多くの人が納得する音楽ジャンルのコンサートに
すればよかったのに…と、それも難しいでしょうけど。


各地の夏祭り・秋祭りで、実行委員会メンバーの世代交代が進む中、
演歌歌手をゲストとして呼ぶことを「時代遅れ」「喜ぶのはごく一部の人だけ」と
打ち切ってしまうケースが増えていると聞きますが、
今回の件も、根っこはそれと同じような気がします。


議会で市長を批判した議員って、もしかして結構若い人かも。
そう思って調べてみようとしたのですが、年齢も経歴もわかりませんでした。(^_^;)