ドラマ『演歌の女王』第一幕


日本テレビ系列で夜9時から。初回は20分拡大。http://www.ntv.co.jp/enka/


さて。録画したものを見終わりました。
登場人物やあらすじは上記の公式サイトで確認していただくとして、
野暮だと知りつつ、やっぱりツッコミを。
基本的にコメディータッチのようなので、ありえないストーリーや大袈裟な演出はともかく、
実際の演歌歌手の仕事ぶりとして「それはヘンだ!」と思ったところ。


・扇子を持って歌っている。


 目立つためにひまわりが編み出した独自のスタイルなのかもしれませんが、
 そんな歌手はいません。新舞踊と混同してますかね?


・マイクを持つ手の小指を立てて歌っている。


 こんな歌手もいません。ご丁寧に、回想シーンの子供時代のひまわりも小指立ててました。


・営業先で、歌唱用のカラオケにカセットテープを使っている。


 普通はMDを使います。テープだと伸びてしまうからです。たとえMDがなくても、
 オリジナルのカラオケが一緒に収録されているであろう自分のCDを使えばいいのに。


・しかもそれを(持参の?)ラジカセで再生している。


 カラオケがヘロヘロになったのは、テープが伸びていたからか、それともラジカセが古いからか?
 客が電源コードに足を引っかけて止めてしまうという演出がありましたが
 カラオケスナックだったら立派な音響機器があるでしょうに、なぜわざわざラジカセを?


・300万円かけてCDを作ったところで、どうやって売るつもりだったのか?


 「CDを作ってパーッと売り出そうぜ」というヒトシの言葉にまんまと乗ってしまうひまわり。
 「3000枚作るとして、もろもろで最低300万かかる」。
 彼女の言うこの金額が妥当なのかどうかはよくわかりません。
 再レコーディングするわけでなく、音源は以前の「女のわかれ道」を流用するつもりだったのでしょうけど。
 まだ以前のCDも手元に残っているというのに、新たに3000枚も作ってどうするんでしょう?
 レコード会社と契約して宣伝のバックアップをしてもらうわけでもないのに、
 ジャケットを差し替えただけで突然売れるわけないと思うんですが。


・ジャケット写真撮影の控室で、本人がすべて自分でメイクや髪のセットをやっている。


 着物の着付けを自分一人でやる歌手は少なくありませんが、
 普段はともかく、スタジオ撮影の時くらいはメイクさんやスタイリストさんを雇うと思うんですが…。
 あ、それから、スタジオの当日キャンセル料は全額負担では?


・放送中に、津波情報のテロップが頻繁に出る。


 いや、ホントにツイてない。


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逆に、妙にリアルで「あるある」と思ったところ。


・カラオケスナックの客に「カタイこと言わずにお酌してくれよ」とカラまれる。


・呉服屋のおカミは、“最近演歌にハマってるの”と言う割に、
 この間テレビで見たという歌手の名前も曲タイトルも思い出せない。


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それにしても、演歌歌手としての大河内ひまわりはひとりぼっちで
すべての売れない演歌歌手が、こんなふうに自分でお金を出してプライベート盤を作り
フリーで活動しているようなイメージを与えかねない危険を感じます。
今後、手助けしてくれるマネージャーやレコード会社のスタッフが登場するんでしょうか?


それに何より、嘘つきでちゃらんぽらんでギャンブル好きで女たらしであるヒトシに対して
「私にはやっぱり、あの人しかいない」と言われてもねぇ…。
見ているほうはイライラするだけで、ダメ男に入れ込むひまわりに、感情移入できませんでした。


唯一スカッとしたシーンは、自分を騙したヒトシの結婚式にひまわりがスゴイ形相で乱入し、
酒井若菜演じる新婦をウェディングケーキごとキックで吹っ飛ばした妄想シーン(笑)。
今後、もっとこういう天海祐希さんらしい場面があるといいなぁ。


大河内ひまわりがこれまでに発売したのは、「女のわかれ道」「女のさくら坂」「女のなみだ橋」の女三部作。
部屋に飾ってあったカラオケ大会の賞状やトロフィーから判断するに、本名は「島津幸子」のようです。
福田麻由子演じる女の子=ひまわり自身であって、
心の葛藤をもう一人の自分との会話で見せるという面白い手法でしたが、
あの女の子が一体誰だったのか、わかりづらかった視聴者も多いのでは?


ひまわりが以前所属していたプロダクションのオフィスには、
伍代夏子のポスターが貼ってありました(石原詢子もチラッと)。ボイスミュージックが協力してるのかな?


…と、第一話だったので思わず気合を入れてじっくり見てしまいましたが
普段ドラマを見慣れていないうえに感想を書いたのでぐったり疲れてしまいました。
細かいことにいちいち目くじら立てながら見るのは我ながらよろしくないですね。
次回からまたこんな風にツッコミを入れる気力があるとは限りません。(^^;)