詞の内容に関して森進一に責任はあるか


「必死だなオイ」と言われても仕方ないくらい、「おふくろさん」問題について
連日書くハメになってるなぁ。(+_+;)


もともと「無断でくっつけやがって」と怒っていたはずの川内氏、
いつのまにか論点が変わってきて、


 「俺の歌を間違って解釈するようなヤツには歌わせない」


という話になってきてる気がします。
つまり、追加された歌詞の内容が、本来の「おふくろさん」に込めたテーマとは相容れない、
間違った解釈のもとに作られたものだったから、けしからん!と言ってるようです。


森進一は、歌手として、与えられた歌を表現しただけで
そう“解釈”したのは追加部分を作詞した故・保富庚午氏でしょう。
いや、保富氏だって、プロデューサーやディレクターに
「こういう内容で」と依頼されて、指示に従って作っただけかもしれませんし。


奇しくも、八代亜紀はこの件について
「歌手は代弁者に過ぎない」という意味のことを言ったそうです。(→参考記事
前後の文脈がわからないので安易に判断するのは危険ですが、八代さんだって
冒頭部分を作詞したのが森進一自身ではないことくらい知ってるでしょうから、


「歌手は与えられた詞をそのまま粛々と歌うことしかできない。
 詞に問題があったとすれば作詞者の責任。責められている森進一が可哀想」


という意味で言ったのだろうと俺は考えます。


(代弁者に過ぎない歌手が歌詞を改変するなんて許されることではありませんわね、という意味で
 ホントに言ったのだとすれば、八代さんは実にトンチンカンな発言をしたことになりますけど)


まさに歌手は代弁者に過ぎず、詞の内容が誰かに不快な思いをさせたり
傷つけたりしたとしても、それは歌手の責任ではありません。


追加された歌詞の内容が気に食わないからといって、
森進一を責めるための理由として「詞の内容・歌の解釈」の問題を挙げるのは、ちょっと筋違いというものです。
だったらまず猪俣公章氏と保富庚午氏に抗議すべきでは。(お二方とも亡くなってますが)


「無断で改変しやがって!」「そのうえ礼儀知らずなヤツには歌わせん!」


森進一に対して怒る理由としてはそれだけで十分なはずですし、それだったら納得がいきます。
冒頭部分を付け足したことが川内氏に連絡されていなかったこと、さらに
今回の騒動が起きてからの森側の“対応”の面で、非があったのは否定できないかもしれません。


ただ、詞の内容の部分にまで踏み込んで、森進一を責めるのは違うだろ、と。
「やっぱり言いがかりじゃん」と思われますぜ?


(追記:森進一自身の発案で追加部分の歌詞が作られた可能性について考察しました→3/11記事



・「おふくろさん」騒動で川内氏、JASRACの処置を了承