演歌低迷に対する夏木ゆたかの秀逸なコメント


もう一つ、『月刊カラオケファン』6月号の話題を。


特集は「ラジオ番組徹底ガイド」。
“徹底”というわりに、インタビュー取材しているのは
ラジオ日本『夏木ゆたかのホッと歌謡曲』と、文化放送走れ歌謡曲』だけで、
後は各地の演歌関連番組の番組名をリストにしているのみですけど。


ここで、夏木さんが「演歌低迷についてどう思うか」という質問に対して
非常に明快で素晴らしい回答を出してくださっているので、
ちょっと紹介させていただきます。無断引用御免。(^_^;)


──“演歌低迷”と言われて久しいですが、そういうことを肌でお感じになられることは?


夏木 いや、あんまりないですね。だってみんな“隠れ演歌ファン”だと思ってますから。(中略)
ただ、数字としてきちんと出すのは難しいだろうなとは思います。


──数字として?


夏木 はい。音楽業界で発表される数字って、CDの売り上げ枚数とか
コンサートの観客動員数とかじゃないですか。でも、それって結局若者向けですよね。
僕らの世代は、CDショップに行くこと自体が圧倒的に少ないわけですから。そうなると、
どんなに家で演歌を聴いてても、カラオケで演歌をいっぱい歌ってても、
数字的には反映されないでしょう?
演歌を愛する人たちは確実にいるのに、表にはあまり出てこない。

だから低迷って言われちゃうのかなぁ。僕個人としてはそんなふうに思ってないんですけどね。


──同感です。


夏木 でしょう? 僕も、決して「演歌界を盛り上げたい」とか「発展させたい」とか思って
番組をやってるわけじゃないんです。当然のように「喜んでくれる人たち(リスナー)がいる」と
思うから喋り続けてるんであって(笑)。だからね、各ラジオ局はもっとたくさん
歌謡番組を作ればいいのになと思います。


長年演歌の最先端の現場に身を置き、一般の演歌ファンと接し、
その熱気を肌で感じている人の感覚とは、こういうものだと思います。


もちろん、CDやカセットが以前に比べて売れていないこと自体は「低迷」に違いないのですが
それは「演歌を聴いて・歌って、楽しんでいる人がいなくなった」と必ずしもイコールではありません。