私考 あさみちゆき×阿久悠


あさみちゆきの3月発売の新曲タイトルは「恋々日記(れんれんにっき)」だと思っていたのですが
最近のブログを見ていると「あさがお」ということになっています。
あれっ? 変更になったのか。
どうやら、今月の井の頭公園ライブで、本人の口から発表されていたようです。


通販サイト等には、新曲の情報として「恋々日記/あさがお」といった表記が
残っていることから推測するに、「恋々日記」を今回リリースすることを見送り、
もともとカップリングとして収録するはずだった「あさがお」を
急遽A面に格上げ、ということのようです。


素人考えで推測するに、2月に同じテイチクからデビューする
清水博正のデビュー曲「雨恋々(あめれんれん)」と
タイトルがかぶってしまったことも理由のひとつではないかと。
「れんれん」なんて、まず使わない特殊な言葉だもんなぁ。れんれん。


「恋々日記」については、“「青春のたまり場」「聖橋で」に続く阿久悠作品第3弾!”
という説明文を見つけることができます。


「恋々日記」がどんな曲なのか聴いてもいないのに
こういうことを書くのは見当違いも甚だしいかもしれませんが、
阿久悠」というネームバリューに頼る作戦では、もう
これまで以上のセールスは期待できないと個人的には思っています。


昨年は、あさみちゆきにとってまさに一年すべてが
阿久悠先生」一色に染まっていた印象があります。
06年秋のシングル「青春のたまり場」発売に始まり、全曲阿久悠作詞のアルバム『あさみのうたIII』発売、
シングル「聖橋で」発売、そして阿久悠づくしの青山劇場コンサート。
セールス的にもおそらく自己最高の実績を残しましたし、
日本レコード大賞の「日本作曲家協会奨励賞」も受賞。
何より、思いがけず阿久氏が亡くなったことで、作り主を失った作品たちは
より強烈にファンの心に焼き付けられることになりました。


もちろん、偉大な作詞家が遺した作品を世に出し、歌い継ぐことは重要です。
まだ決してメジャーではない彼女が、阿久氏に惚れこんでもらえて
あれだけの数の素晴らしい作品を書いてもらえたことは、ものすごい栄誉でしょう。
だからこそ、それを歌い継ぐ責任というのは、相当重いものに違いありません。


でも、それを大事にしすぎるあまり、あさみちゆきが本来歌えるはずの
他のチャンスを遠ざけてしまうのではないか…という恐れも実は感じていました。
だからこそ、これからは阿久氏以外の歌を歌っていってほしい、というのが
咆哮堂としての密かな希望です。


あれだけ熱心に応援してくれているファンの方たちは、歌手・あさみちゆき
人柄や歌唱力を通して表現される歌世界全体が好きなのであって、
阿久悠作品を歌い継ぐ歌手」が好き、というわけではないと思うのです。


阿久氏が彼女に贈った「あなたが歌の伝道師になって…」という言葉も、
「僕の歌の伝道師になって…」という意味ではなかったはずだと思うので。


1月15日には『NHK歌謡コンサート』出演、さらに来る2月3日には
初の『NHKのど自慢』ゲスト出演も控えています。のど自慢は、
その回のゲストの歌唱曲で予選に出場すると、比較的本選に出やすくなるらしい(?)ので
あさみちゆきの歌で出場する人がいるかも。(^_^)


 『あさみのうたIII』