雑感
『歌の手帖』3月号に、紅白のリハーサルを取材したルポ。
新聞や週刊誌を含め、ここまでリハーサルを丁寧に取材した記事も初めて見ましたし
何より、取材している人の見ているポイントや
写真がとても新鮮で、楽しめました。(^_^)
さて一方。
日本歌手協会の会報誌「月刊うたごえ」2月号を入手。
「紅白歌合戦、いかにあるべきか?」というテーマのてい談が載ってます。
協会の事務局長を含む、大正〜昭和ひとケタ生まれの男性3人によるもの。
レコード会社出身の事務局長の意見はまだまともなのですが、
あとのお二方(一般人?)の、化石のように凝り固まった考えに脱力。_| ̄|○
「昨年の紅白の出場者や歌、皆さん、どれくらいご存知でしたか?
私はほとんど知りませんでしたね。知らない人が知らない歌をうたって沢山出てたけれども、
逆に八代亜紀さんなんかね、歌唱力もあると思うのに、このところ出てないですよね。
どうも選考基準が曖昧なように感じますね」
「それにしても、本当にみんな、その年に活躍した、つまりヒット曲を歌った人たちなんですか?」
「そこがどうも不明瞭なんですよね。紅白に出るのはスターやヒット歌手で、
うたわれた歌は誰もが知っているものだったというのは昔の話で、
なんでこの歌手が?というのが、このところは本当に多いですよ」
乱暴に抜き出したので、ココだけ読むと“いつも出ている演歌歌手への批判”に
読めなくもないですが、そうではなく、全体の論調はこんな感じ。
「紅白で歌われるのはヒット曲であるべき。
なのにワタシが知らない曲ばかり。それはヒット曲じゃない。
歌を競う合戦なんだから、下手くそな歌手を出すな。選考基準がおかしい。
『年忘れにっぽんの歌』のほうが安心して見られる」
八代亜紀が出て「雨の慕情」でも歌えば納得したんでしょうか。(-_-;)
えらくヒット曲にこだわっていますが、たぶんこの方たちは
「07年にヒットした曲は?」と問われても、一曲も挙げられないはずです。
つまりは、演歌歌手の出場者について、若者が言ってることのそのまんま裏返しですな。
子供からお年寄りまで誰もが知っているヒット曲なんて、今の時代には生まれ得ません。
互いが聴きたい歌手、ヒットしたと思っている曲を主張するだけで、
知らない歌手には興味を示そうともしない。その溝、甚だ埋め難し…。(+_+)