『新堂本兄弟』にジェロ出演


「海雪」は歌いませんでしたが、たっぷりのトーク
みちのくひとり旅」の熱唱でした。面白かった。(^_^)


個人的には、山本譲二以外の演歌歌手が
みちのくひとり旅」を歌うのを、初めて見た気がします。
BS日本のうた』のような番組では
演歌のスタンダードをカバーして歌うことも多いですが、
演歌歌手は、先輩歌手の曲をカバーすることはあまり多くありません。
オリジナルの歌手が現役で、
ましてやそれが代表曲であればなおさらです。


番組を見ていて思ったのは、
いま若い人たちがジェロの歌う演歌を受け入れているのは、
彼がアメリカ人であることや、経歴や、歌の上手さだけではなく、


「自分たちと同世代の、同じ感覚の人間が演歌を歌っている」と感じられること


…が大きいのではないか、ということ。


これからも、若い演歌歌手が続々デビューしてくるでしょう。
でも、たとえ彼らが若くても、現実味のないキラキラのステージ衣装を着て
バカ丁寧な行儀よいトークばかりしていては、同世代からの共感は得られないのです。


ジェロを指して、こういう意見もチラホラ見かけます。
「あんなだらしのないカッコで歌いやがって、演歌を冒涜している!」
長年演歌を愛してきた人の感覚として、それは決して間違ってはいません。
でもそういう固執こそが、演歌を狭い枠の中に閉じ込めてきた元凶だと思うのです。


ジェロは番組の中で、好きな演歌の名曲を十数曲挙げていました。(※後でリストアップします)
これは推測に過ぎませんが、おそらく彼はそれらを
音楽的・直感的に“いい曲”としてとらえているのであって
その曲に、自分の人生を投影しているわけではないと思います。
ジェロが、「海雪」やその他の演歌について「この主人公の気持ちがとてもわかる」とか
「主人公の気持ちになって歌っている」という内容の
コメントをしているのは見たことがありませんし。


山本譲二がオリジナルの「みちのくひとり旅」を歌えばもちろん感動しますが、
彼の人生を変えた一曲である以上、その背景を意識せずに聴くことはできませんし
ましてや、もし今の時代にふんどしいっちょで歌われたら暑苦しいでしょう。(^^;)
そういった「この曲に賭けている!」「この曲は俺の命!」といった、
人によっては重苦しく感じてしまう要素と関係ないところ、
つまり音楽以外の要素から解放されたところで純粋に演歌を聴けるのが
ジェロの魅力の一つかもしれません。