検証 走裕介「呼人駅」の真実


・走裕介「呼人駅」歌う


本日発売の走裕介の新曲「呼人(よびと)駅」。
北海道の石北本線に実在する無人駅だそうです。
http://columbia.jp/artist-info/hashiri/report_11.html


実は、もともと坂本冬美のために作られた曲。
といっても作られたのは20年以上前で、シングル曲ではなく
その後2001年になってアルバム『冬美ルネッサンス』に収録されたとのこと。


『冬美ルネッサンス』坂本冬美 『冬美ルネッサンス』坂本冬美


走裕介 → 網走市出身 → 網走といえば刑務所。
呼人駅は網走駅のひとつ隣の駅で、網走刑務所にも近い駅。2番の歌詞にはこうあります。


「 ご苦労さまでした お帰りなさいと かもめよ おまえも迎えに来たのね 」


つまりこれは、刑期を終えて網走刑務所から出所してくる
男性を迎えに来た女性の歌なんですね。なんとドラマティックな。(^_^;)


歌詞に出てくる、あの人が渡ってくる「鏡橋」(かがみばし)というのは
網走刑務所と市街地を隔てる網走川にかかる橋。
刑務所に出入りする時は必ずここを通るわけです。http://www.kangoku.jp/display.html
そしてシャバに出て最初に向かう駅が呼人駅、ということなんです。


そういう背景を知ったうえで聴くと、歌に対するイメージがガラリと変わります。
地元とはいえ、地味な駅を題材にしたもんだなぁ、と思っていたのですが
なかなかどうして、かなり深い曲なんです!


…と、ここまで盛り上がっておいてナンですが、
地図を調べてみたところ、素朴な疑問が。
網走刑務所からいちばん近いのは、どう見ても、やはり網走駅なんですわ。

この位置関係で、出所した人が歩いて呼人駅に向かう、というのは
本当にあり得るんでしょうか? (^_^;)


さらに言うなら、呼人駅はわりと内陸部にあり (西側にあるのは網走湖です)
石北本線オホーツク海には面していないので、
線路の向こうにオホーツク海が見えたり、カモメがいたりという
2番の歌詞のような光景には(たぶん)なりません。
それとも、呼人駅の位置が変わったんでしょうか?(Wikipedia「呼人駅」
そういえば、以前別の作品の歌詞にツッコんだ時も
池田充男氏の作詞による北海道関連の曲でした…。
演歌の歌詞でリアリズムを追求する必要はまったくないと思いますし
この作品もまた、想像・創作の部分が大きい“ファンタジー”なのかもしれません。


・走裕介「呼人駅」の歌詞 (歌ネット)
・坂本冬美「呼人駅」の歌詞 (歌ネット)


「呼人駅」走裕介 「呼人駅」走裕介


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