あなたの善意が誰かの足を引っ張ることのないように


被災地の惨状、いまだ救援の手が届かない避難所…。
ニュースを見るたびに、「胸が締め付けられる」なんて言葉では到底表現できないくらい
心が苦しいです。皆が不安や恐怖と戦っています。


今すぐ現地へ駆けつけたい、毛布や食料や水を送りたい…。
被災地のために何かしたい気持ちはみんな同じです。
でも、いったん深呼吸して落ち着きましょう。
誰がどうやって届けるのか? それは本当に役に立つのか?
余計な手間をかけてしまうのではないか?


ツイッターはてなブックマーク等で、今週はじめあたりから
広く紹介されているものの中から、下記の2つをご紹介します。
いずれも、阪神・淡路大震災を経験した現地の方からの率直な声です。
震災直後の今、我々にできることは極めて限られていること、
シロウト考えの善意はかえって迷惑になること、何をしてはいけないのか、が
説得力をもって伝わってくる、とても重みのある文章です。


◯西宮市議会議員・今村岳司氏のブログより
 「あの恐怖と屈辱は、記憶よりさらに奥に刻みつけられてしまっている。」


◯当時高校3年生で、現地ボランティアに参加した男性のブログ
 「被災者の役に立ちたいと考えている優しい若者たちへ〜僕の浅はかな経験談〜」


今村氏のブログは少し厳しい言葉で書かれていますが、私は特に
「安否確認は、被災していない側が安心したいだけ」という言葉にドキッとしました。反省…。
3/14の「それでもなにかできることを。」も関連してご一読ください。


※追記
「被災者の役に立ちたいと考えている優しい若者たちへ」は、
残念ながら、筆者の方の判断で3/23で削除されるそうです。
「現地ボランティアなど意味がない」という主旨ではもちろんないのですが
そんな不用意な誤解を広げかねない、というのが理由のようです。
今回、役場などが津波で破壊したせいで機能せず
支援の受け入れができない自治体のために、NPOが現地入りして頑張ってくれています。
また阪神・淡路大震災の時と比べて、被害の規模・広さが格段に違い、
NPOの展開状況、それぞれの役割、必要となる人員もまったく異なるようです。
参考:被災地からの報告 阪神震災とは違う実情


震災直後にシロウトが現地へ乗り込んでも、役に立てないのは事実だと思っています。
ただ、「とにかく現地へ!」とはやる気持ちを制したり、
「何もできない無力さを責める必要はなく、事態が落ち着いてからやれることをやればいいのだ」と
自分を納得させるために、大変ためになる素晴らしい文章だったと思います。


いまのところ、被災地の県庁や、自衛隊は、個人からの救援物資の受付をしておりません。
きょう現在、ヤマト運輸、佐川急便、ゆうパックなどの宅配便は
青森県秋田県岩手県宮城県山形県福島県茨城県の一部宛の
荷物受付を停止しています。個人的に物資を送ることはできません。
直接届けようと、被災地にクルマで入ろうとするなどもってのほかです。
(※追記:その後、宅配便は徐々に営業を再開しています)


西日本のごく一部の県庁で、救援物資の受付を始めた所もあるようですが
いまいちばん役に立つ支援は、お金です。 義援金です。
プロが効率的に配分し、必要なところに使ってくれることを信じて
お金を送るしかありません。
(※追記:その後、自治体・企業・NPO等によっては救援物資を受け付けている所も増えています。
 何が必要とされているのか調べてから、できる範囲で送りましょう)


ITmediaのまとめた、ネット上から出来る募金まとめ。↓
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1103/12/news002.html


これら以外にも、銀行のネットバンキング等を利用している人は、
携帯やPCから手数料ナシで振込できる口座を各銀行が開設しています。
郵便局の窓口からも、日本赤十字社などの義援金専用口座に
手数料無料で送金できます。


また、もっと手軽な方法として、近所のコンビニやスーパーをはじめ
公共の場所には募金箱が設置してあるはずです。