藤野とし恵 歌手生活40周年記念ディナーショー@東京ベイホテル東急


普通、演歌歌手のディナーショーといえば
新宿京王プラザとか赤坂プリンスとか椿山荘とかが相場だが
まさか演歌の仕事でこんな夢と魔法の国のそばまで来るとは思わなかった。(^_^;)


だいぶ暗くなった頃、舞浜駅へ。
冷たい強風がゴーゴー。地の果てって感じ。さぶー。(+_+)
モノレールに乗り、ミッキー耳を頭に付けた家族連れに囲まれ、場違いさを感じつつ
まるっこいカワイイ送迎バスに乗ってホテルへ。


ディナーショーは「私いくつになったの会」というサブタイトル。
これは最新曲「時の舟」の中のストレートな一節からとったものだ。


オープニングで、白いウエディングドレス風のドレスで登場。
テーブルがたくさん並んだフロアの真ん中にも小さな低いステージがあり
2度ほどテーブルまわりをしつつ、そこでゆっくりと周りを見まわしながら歌っていた。


以前初めて取材した時、取材場所に現れた藤野さんは
白地に鮮やかな赤い花と葉の緑が全身にいくつも描かれたワンピースを着てきたのでちょっと驚いた。
もちろんそれはCDジャケットの中の着物姿とのギャップが激しかったからだが。
まぁ確かにお年は召してらっしゃるのだが、そういう服装をしても決して無理やイヤミがない。
実際、肌もキレイだし。何より、自然で優しげな表情を常に絶やさないのだ。
年下の俺が言うのは失礼だが、非常にカワイらしい雰囲気をまとった方なのである。


取材場所まで一人でやってきて、そこでレコード会社のスタッフと落ち合い、
終えると、また一人で帰っていく。
取材してくれた記者や、コンサートに来た関係者に、後日自ら電話を入れて丁寧にお礼を言う。
ちゃんと大手事務所にはお世話になっているハズだが、
いわゆるマネージャーにあたる人はいないようで、
今回の会場の手配等も、レコード会社の女性スタッフに手伝ってもらいつつ、
ご本人で全部やってしまったらしい。そういう人なのだ。


案の定というか、今回も翌日にはご本人から会社に電話をいただいた。
たかが一本の電話と思われるかもしれないが、なかなかできるコトではない。


( 誤解してほしくないのだが、
  「そういうことをきちんとやるのがいい歌手」「やらないのはダメな歌手」と言っているでのはない。
  デビューしたての新人歌手は取材した直後に直筆のお礼のハガキをくれることが多いが
  普通、来る日も来る日も地方に行く仕事の多い歌手はそんな時間の余裕もないだろう )


こんな芸歴の長い歌手が、おそらくはディナーショーに来ていた大勢の関係者や客の一人一人全員に
ショーの翌日にきちんと電話していると思うと、こちらの頭が下がる気がする。