苦悩



・新潟中越地震:小林幸子さんが新曲でエール


・幸子苦悩…紅白衣装自粛も


・小林幸子 “ド派手衣装”封印も


・小林幸子“被災地の歌”絶唱


・幸子苦悩…紅白の豪華衣装封印も


・小林幸子「着たいけど着られない」


・小林幸子が新潟合併歌を発表


幸子さん、泣いてましたね。
「メチャメチャに壊れた家の写真を私に見せて、笑顔で“ホラ、これが私の家”って言うんですよ」
「避難所で生活しているのに、私に向かって“幸ちゃん、これから寒くなるから体に気を付けてね”って‥」
実際に地震の被災地を訪問し、被災者の人たちと会話してきた人の
語る言葉は説得力があります。


2月に発売される新曲「越後絶唱」に関して言えば、これは元々、来年3月に周辺市町村と合併して誕生する
新しい「新潟市」のイメージソングとして作られたものであるのに、
今回の地震を受けて「新潟県」全体の応援歌でもある、としてしまったことで事情がややこしくなり
歌の主旨が少しぼやけてしまっている気がします。
新潟市内は今回の地震による被害はほとんどないそうですし。
実際、記者会見で「合併してできる新しい新潟市はどんな市になってほしいですか」という
質問に対しても、結局幸子さんは新潟の地震被害についての話に終始してしまい
この歌が新潟市に向けてのものなのか、新潟県に向けてのものなのか
整理しきれておらず、ごっちゃになっている部分があったように感じました。
新潟日報のように制作費の出所まで生々しく報道してしまっている
メディアもあることですし、俺の中では「両立できるのかなぁ?」という気持ちです。


紅白歌合戦の衣装については、本当にもう
「どうしていいかわからない」というのが本音なのだと思います。
記者会見のごく一部だけを切り取ったワイドショーをテレビで見て、事情を飲み込めず
あの涙を「わざとらしい」と思う人が出てくるのは、仕方ないかもしれません。


「被災者の人たちこそ小林の豪華衣装を楽しみにしてるんじゃないの?」
「とゆーか、そもそも小林の衣装と新潟の地震は何の関係もないし」
と考えている人は、
「ハァ?何を悩んで泣いてるの?」と思ったことでしょうけど、
「新潟が大変なことになっているのに、巨額の費用をかけた豪華衣装で歌うなんて不謹慎な」
という声が事務所に寄せられているのも確かなのでしょう。
個人的には、これはどちらも間違っていないと思います。
避難所で暮らしている人々を思いやって、
「被災者の人たちのことを語る時に、派手な衣装を着るのはやっぱり失礼かな」と、
細やかな心配りが少しでもはたらくのは当たり前ではないでしょうか。日本人として。
だからこそ彼女は迷っているのであって。


歌手とはやはり世間の評判に大きく左右される商売ですし、
いくら「皆さんに楽しんでもらう」とポリシーを持ってやってきたこととはいえ、
批判の声を無視して強行できるほど幸子さんも図太くないでしょう。
誰よりも地震被害に心痛めているのは、新潟をふるさとに持つ彼女自身なのですし、
「豪華衣装を着れば、被災者の人たちを傷つけ、侮辱することになるぞ!」と言われれば
そう思う人もいるのか、と動揺するのは当たり前です。


豪華衣装を着るか着ないかで後々の仕事が左右されるというビジネス上の計算があるとしても、
個人的には「個人としては破格の500万円の義援金」「避難所を8ヶ所も慰問」という行動で
誠意を示したことで、視聴者を納得させる根拠としては既に充分だと思いますが。