NSP天野滋さん死去 - 演歌記者・咆哮堂の仕事日記

未明にニュースサイトで知りました。

フォークグループ「NSP」のボーカル＆ギターで、詞・曲を担当。
そして音楽制作会社・アトラストの代表。
2月に、19年ぶりのオリジナル新作アルバム『Radio days』を出して、
これからNSPの活動を本格的にやっていこうとしていた矢先だったのに‥。

今年3月12日に渋谷公会堂のコンサートで見たのが最後になってしまいました。
その日のコンサートは、前半こそ和気あいあいと進んでいたけれど、
今まで何千回も弾いたであろうデビュー曲「さようなら」のギターを何度も間違ってやり直していました。

「スミマセンね。見えないんですよ」

そこでようやく俺は、天野さんの体がただ事ではないことを今さらながらに知ったのでした。
かなり視力が低下し、譜面や、ギターを弾く自分の手元さえほとんど見えなかったのだと思います。

照れ隠しのように笑いながら、その悔しさ・無念は、いかばかりであったでしょうか。
涙声で歌う彼の姿がつらくて、胸が締めつけられるようでした。
大げさでなく、本当にスタッフに抱えられるようにステージを後にしていきました。
しかし、大腸ガンだったとは‥。かなり進行していたのでしょうね。

ショックで仕事が手につきません。
ずっと頭の中で「♪さようなら　さようなら‥」のリフレインが流れています。