大黒裕貴、「大黒美和子」として活動へ


更新停止したままのブログに、新たな書き込みがありました。
http://yukiohguro.exblog.jp/7843366/


6月30日をもって、大黒裕貴としての活動を停止し
今後は完全に「大黒美和子」として歌手活動を行っていくそうです。
既に、本名の「大黒美和子」名義でのライブをやっていたようですし
まぁそれ以前からも何となく噂はあったんですが…。
これで、完全に演歌からの決別を宣言したことになります。


おそらくは、大好きなさだまさし根本要スターダスト・レビュー)に憧れて
「自分で作った歌を歌いたい」という気持ちを持ったのだろうと思います。


多くの演歌歌手は、作家から与えられた歌しか歌えません。
自分の伝えたいことを自分で歌にできる人たちの才能に
憧れてしまったら、葛藤は強くなる一方だと思います。
その気持ちはすごくわかるんですよ。
J-POP分野でヒットを出そうなんて考えているわけではないでしょうし
ただこれからは自分に嘘をつかない形で音楽に接していきたい、
ということだと思います。


オリジナル曲を作って活動しているアマチュア
シンガー・ソングライターは、それこそ星の数ほどいます。
元歌手というキャリアなど、ほとんど役に立たないでしょう。
それを覚悟のうえで踏み出す勇気には拍手を送ります。


ただ、もし「“さださんや根本さんのような”歌を作りたい」
と思っているのであれば、それは無謀なんじゃないかなぁ。
これまで彼女のトークを聞いたり、ブログや雑誌のコラムを読んだりする限り、
伝えたいことが日々湧いてきて仕方がない、とか
世の中の出来事に対して自分なりの感想を述べる、といったことが
あまり得意ではない印象がありましたし
さださんや根本さんには、創作を支える音楽的知識と幅広い見識、そして
全国津々浦々でコンサートを続けてきた長年のキャリアがありますから。


何より、この最後のブログの書き込みを読んでも
こうするまでに至った経緯とか、ファンにわかってもらいたい気持ちとか、
それでも演歌をやめて歌いたい理由というものが
説明不十分で、決して納得できるものではないんですよね。
あれでも彼女なりに言葉を尽くしたつもりなのでしょうけど…。
長年悩みぬいた末の決断なのだろうから、
きちんと説明してくれればこちらも納得できるのに。


自分の内面を吐き出すだけの歌ならいくつか書けるでしょう。
でも、感動させる歌というのは、作る人の人生経験や人間性が問われます。
だから、背伸びしないで“大黒美和子らしい”歌を
マイペースで作っていってほしいと思います。


当然ですが、これからはいくら自作の歌とはいえ
ライブの場でカラオケで歌うことは許されませんからね。
サポートしてくれるミュージシャンがいるのならいいですが、
彼女は何か、自分で演奏できる楽器はありましたっけ? (^_^;)
才能を磨き続ければ、そのうちバンドを結成したり
ミュージシャンとユニットを組んだりして
ボーカリストとして世に出る日が来るかもしれません。


演歌界から貴重な才能が失われるのは事実なわけで
その点はもう、純粋に悲しいです。


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