『金スマ』に坂本冬美 忌野清志郎との絆を語る


番組前半は、昨年から今年にかけて再結成しツアーを行った
アリスの3人を迎え、かつて解散に至った経緯、本音などが語られました。


後半で、坂本冬美登場。
現在ヒット中の「また君に恋してる」の源流をたどっていくと、
昨年亡くなった忌野清志郎が、冬美さんのデビュー当時にその才能を見抜き、
ポップスを歌わせたことがきっかけとなっている、という内容。
過去の映像や再現ドラマ、関係者の証言を交えて紹介していました。


・「また君に恋してる」の歌詞 (歌ネット)


「また君に恋してる」坂本冬美 「また君に恋してる」坂本冬美
『Love Songs〜また君に恋してる〜』坂本冬美 『Love Songs〜また君に恋してる〜』坂本冬美


まだ無名な冬美さんの歌を偶然耳にした清志郎が興味を持ち
数年後にHISのメンバーとして抜擢したのだそうです。
うーん。基本的にそれで間違いではないと思うのですけど、
視聴者にわかりやすい筋書きを提供するため、かなり端折って脚色された印象。


・Wikipedia「HIS(音楽ユニット)」


ただ、現在ヒット中の「また君に恋してる」は、忌野清志郎と直接の関係はありません。
確かに、演歌以外のポップスを歌うようになった最初のきっかけは忌野清志郎であり
冬美さんの歌の幅を広げた功績ははかり知れないものがありますが
現在のヒットを清志郎と結び付けて「清志郎さんのおかげ」というのは
見せ方としてちょっと飛躍しすぎという気がしました。
コンサートでポップスを歌う演歌歌手は、何も冬美さんだけじゃありませんし。
視聴者の中には、あたかも清志郎が冬美さんに「また君に恋してる」を歌うことを勧めたような、
あるいは清志郎が「また君に恋してる」を作詞・作曲して提供したかのような
印象を受けた人もいたのではないでしょうか。


番組内では冬美さんに「また君に恋してる」を歌わせることになった理由を
アートディレクター(?)がVTRで短くコメントしていました。
この曲のオリジナルアーティストであるビリーバンバン
作詞の松井五郎氏、作曲の森正明氏にも取材してほしかったな。


森正明氏は、ビリーバンバンのサポートメンバーとして活躍する
作曲家・ギタリストです。山形県新庄市出身。
今年1月に朝日新聞で紹介された森氏のインタビュー記事によると、
2006年に「いいちこ」のCMソング制作のコンペがあり
(ビリバンは長年いいちこのCMソングを担当し続けています)
先に用意されたいくつかの詞の中から森氏が選んだのが松井五郎氏の作品。
それに曲をつけ、見事に選ばれてビリーバンバンが歌い、CMソングとして流れた。
その後、坂本冬美サイドからカバーしたいとオファーがあったということです。


番組内では、清志郎と冬美さんが共演している過去の映像がいくつか流れました。
HIS当時のものと、後の再集結時のものと、時系列がごっちゃになっていたかも?
ステージ上で清志郎が「今いちばん注目しているボーカリスト坂本冬美です!」
と紹介しているところは、ジーンとしてしまいました。


自由な音楽的チャレンジが許される時代背景もあったとはいえ、希代のロック歌手・清志郎と出会い
ジャンルの枠を超えて様々な歌を歌う経験のできた冬美さんは、本当に幸せな歌手ですよね。
レコード会社が守りに入っている今では絶対にあり得ないだろうなぁ。
「演歌と共演して、こちらに何のメリットがあるんだ?」とか言われそう。
それに、師匠である猪俣公章氏も当時よくそれを許したなぁ。(^_^;)


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