福田こうへい あまり語られない“もう一つのヒットの理由”について 「南部蝉しぐれ」「峠越え」


・演歌異例のヒット 新規ファンを引き付ける福田こうへいの魅力 (オリジナルコンフィデンス)
・演歌異例のヒット 新規ファンを引き付ける福田こうへいの魅力 (オリコンスタイル)
※上記2つは同一内容です


「峠越え」を作るにあたり、大ヒットした「南部蝉しぐれ」のイメージを
継承した曲作りにした、という意味のことを
キングレコードの古川健仁プロデューサーが語っています。


CDショップ・音曲堂の方は、まだブレイク前の福田こうへいがカラオケ大会のゲストとして歌ったところ
その歌唱力に感動した観客がCD・カセットの即売に殺到し、歌い終わる頃には品切れになった…という、
もはや都市伝説レベル(?)の体験談も。


新曲「峠越え」を出すにあたり、せっかく売れ続けている「南部蝉しぐれ」の
セールスの伸びが止まってしまうのではないか…という心配があったと思うのですが
ご存知のように「南部蝉しぐれ」も、いまだランキングから消えることなくロングヒットを続けています。
その要因として上記の記事では、曲作りのコンセプトや、福田こうへい自身の人柄の魅力について語られています。


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さて。私は、ヒットの要因として、もう一つ大きなものがあると考えています。
当たり前すぎるためか、なぜかあまり語られていません。
それは、作詞を担当した久仁京介氏による、これらの作品の「詩」の力です。


「南部蝉しぐれ」も「峠越え」も、まぎれもない演歌です。
ただしそこで歌われているのは、演歌のテーマとしてありがちな
叶わぬ恋を嘆く切ない女心でも、酒を飲んで昔を思い出す男の哀愁でもありません。
(それはそれで、多くの人が様式美として好むテーマとして良いのですけど)


最も印象的な部分として、例えば「南部蝉しぐれ」では沈みゆく太陽を、「峠越え」では山を越えて空高く飛ぶ鳥を、
ごく当たり前の自然の現象にもかかわらず、そこに人間の生き様を重ね合わせて意味付けしています。


ここに私は感心せずにはいられませんでした。これがプロの作詞家の視点であり、言葉のチカラなのです。


どちらの曲も、今を生きる人へのメッセージ性を持った、決して押し付けがましくない「人生訓」の歌。
四方章人氏によるダイナミックで物悲しいメロディにのせて、福田こうへいの素晴らしい声で歌われる時、
その言葉が不安を抱えた人の耳に届き、力を与えてくれるのです。
詩の内容に感動し、これらの曲をカラオケで歌う時に
自分に言い聞かせるように、自分への応援歌として歌っている人も多いのではないでしょうか。


・福田こうへい「南部蝉しぐれ」の歌詞
・福田こうへい「峠越え」の歌詞


7月21日に、アルバム「煌 きらめき」を発売。
それにあわせて、スペシャルサイトが特設されていました。「煌」の収録曲をすべて試聴できます。


福田こうへい スペシャルサイト
 http://fukuda-special.jp/



『煌』(きらめき) 福田こうへい
 『煌』(きらめき) 福田こうへい